まずは、「トイレ交換をお願いできる相手」にはどんなところがあるか整理しましょう。大きく分けると6つのパターンがあり、それぞれ得意・不得意があります。ご自身の状況に合わせて見ていきましょう。
地域密着のトイレ・水まわり専門店
私たち多摩住設もここに当てはまります。トイレ・キッチン・お風呂など、住まいの「水まわり設備」に特化している専門業者です。
最大の特徴は、メーカーごとの商品のクセや施工のポイントを熟知していること。自社施工、つまり下請けを使わず自社の職人が工事する場合が多く、顔が見える安心感があります。トイレ交換だけでなく、床や壁の傷み、配管の劣化などもプロの目で総合的にチェックできるのが強みです。また、地域密着で活動しているため、万が一の不具合や将来のトラブル時にすぐ駆けつけられる距離感も魅力です。中間マージンが少ないため、適正価格で高品質な工事が可能になります。
「トイレだけ交換」はもちろん、「床や壁もきれいにしたい」「将来のために手すりもつけたい」など、少し先の暮らしも見据えて相談したい方には、最もバランスの良い依頼先と言えるでしょう。
リフォーム会社
キッチンやリビング、外壁など、家全体のリフォームを手がけている会社です。
内装デザインや間取り変更など、空間全体をおしゃれにする提案が得意です。「トイレを広くしたい」「位置を変えたい」といった大掛かりな工事や、家全体の雰囲気に合わせたトータルコーディネートが可能です。
ただし、住宅全体を扱うため、トイレ1箇所の交換だけだと費用が割高になる傾向があります。また、実際の工事は下請け業者が行うケースが多く、当日までどんな職人さんが来るか分からないことがある点は留意しておく必要があります。「LDKのリフォームと一緒にトイレも一新したい」「水まわり全てをフルリノベーションしたい」という方に向いています。
工務店・ハウスメーカー
家を建てたり、増築を行ったりする「建築」のプロフェッショナルです。
建物の構造に関わる工事が得意なため、ご自宅を建てたメーカーであれば、配管図面などが残っているという構造上の安心感があります。
しかし、「トイレ交換のみ」という小規模工事は、そもそも受け付けていないか、割高になるケースが多いのが実情です。家を建てたメーカーに強いこだわりがある方や、増築を伴うような大規模なトイレ工事を考えている方以外は、選択肢から外しても良いかもしれません。
ホームセンター・家電量販店
最近は大型店の売り場でも「トイレ本体+工事費セット」をよく見かけます。買い物ついでに実物を見たり、ポイントを活用したりできるのが魅力です。
メリットは、店頭で現物を確認できるのでイメージが湧きやすいことと、店舗独自のポイントが貯まる・使えることです。
デメリットとしては、実際の工事は外部の提携業者へ委託、いわゆる「丸投げ」になることが挙げられます。売り場のスタッフさんは販売のプロではあっても工事のプロではないため、現場の細かい状況、たとえば段差や特殊な配管位置などに合わせた専門的な相談が難しい場合があります。「とにかく実物を見て決めたい」「ポイントを有効活用したい」という方には便利です。
水道工事・水道修理業者
いわゆる「水道屋さん」です。トイレの詰まりや水漏れトラブルで呼ぶイメージが強い業者です。
緊急対応に特化しているため、「今すぐ水が止まらない!」といった緊急時にすぐに駆けつけてくれるスピード感は頼もしい限りです。また、配管そのもののトラブル修理には非常に強いです。
ただ、選べる商品の種類が少なく、在庫があるものに限られることが多いです。また、内装やデザイン、バリアフリーなどのリフォーム提案は専門外であることが多いため、「故障して今すぐ使えないので、機種は何でもいいから今日中に直してほしい」という緊急時向けの依頼先と言えます。
ネット通販+外注工事/一括見積もりサイト
最近増えているのが、「ネットで本体を安く買い、工事だけ業者に頼む」あるいは「サイトで一括比較する」パターンです。
本体価格だけ見れば最安値で手に入る可能性がありますが、「工事費」や「追加部材費」が別料金で、トータルすると安くないことがあります。また、一括見積もりサイトに登録すると、電話やメールが殺到して対応が大変になることもあります。一番のリスクは、工事後の不具合が出たときに「本体のせい?工事のせい?」と責任の所在が曖昧になりやすい点です。ご自身で商品の規格や配管サイズを正確に調べられ、リスクを許容できる方であれば、選択肢の一つになるかもしれません。