上記したように、トイレのリフォーム費用の中で「交換するトイレの代金」が占める割合は高いので、どのトイレを選ぶかということがトイレリフォームの工事費用総額に大きく影響します。
トイレには具体的に次のような3種類があります。
・組み合わせトイレ
・一体型トイレ
・タンクレストイレ
それぞれがどのようなトイレかということと、それを選択することで工事費用がどれくらい違うのかということを解説します。
組み合わせトイレの工事費用
交換するのが「組み合わせトイレ」の場合は、最も安くトイレリフォームを済ませることができます。
組み合わせトイレというのは、便器本体と水を溜めるためのタンクが別々に構成されているトイレです。本体とタンクのどちらかが壊れても、壊れた方だけを交換すれば使い続けることができるので、修理コストを抑えられるというメリットがあります。
トイレ本体も他のトイレより最も価格の相場が安く、工事費用を含めても10万円台で済むケースが多いです。
この組み合わせトイレは、3種類のトイレの中で最も古いタイプのトイレです。
このため、せっかくトイレリフォームするなら新しいトイレにしたいと考える方も多いです。
しかし、タイプは変わり映えしなくても、新品のトイレになるだけでもかなり気分は変わりますので、最新のトイレに交換するよりは満足度は下がるかもしれませんが、工事費用を抑えられるというメリットも無視できないでしょう。
「古くなったトイレを新しくしたいだけ」で、最新の機能を搭載したトイレにする必要はないのなら、費用総額を抑えられる組み合わせトイレへの交換をおすすめします。
一体型トイレの工事費用
交換するのが「一体型トイレ」の場合、工事費用は3種類のトイレの「真ん中」という位置づけになります。
一体型トイレというのは、便器本体とタンクが一体になっているトイレです。掃除などのお手入れがしやすいというメリットがあります。
一体型トイレは組み合わせトイレより販売価格の相場が高くなりますが、次に説明するタンクレストイレよりは安い部類になります。
組み合わせトイレよりも現代的なトイレの形をしており、組み合わせトイレと見た目がまったく違うので、組み合わせトイレへの交換に比べると、トイレをリフォームしたという実感をより持てるでしょう。
見た目が新しく、価格のバランスも良いトイレなので、ある程度の予算があり、でもそんなに贅沢にはできない場合のトイレリフォームにおすすめです。
ただ、一体型トイレは破損した場合、便器部分とタンク部分が一体化していますので、丸ごと交換しなければならないことは覚えておいてください。
タンクレスの工事費用
交換するのが「タンクレストイレ」の場合は、交換工事費用は3種類のトイレの中で最も高くなります。
タンクレストイレというのは、従来のトイレのような排水のための水を貯めるタンクが存在せず、排水のための水を水道管から直接供給するタイプのトイレです。
タンクレストイレは3種類の中で販売価格の相場が最も高いため、リフォーム費用の総額も高くなります。
タンクレストイレは最新型のトイレであり、さまざまな便利機能を備えているものが多いです。値段に見合うだけの利便性があると言えるでしょう。
デザインもとてもスタイリッシュで、タンクがない分、見た目がすっきりしていますから、リフォームによってトイレの印象が大きく変わり、リフォームの満足度も高くなるでしょう。
ただし、タンクレストイレへの交換においてはいくつかの注意点があります。
まず、タンクレストイレは電気を使用しますので、トイレ内にコンセントが必要です。
すでにコンセントがあれば問題ありませんが、コンセントがない場合は別費用をかけて増設工事を行わなければなりません。
それから、タンクレストイレには組み合わせトイレや一体型トイレにあるような「手洗い場」がありません。トイレ内に手洗い場が必要なら、別途費用をかけて増設しなければなりません。
このように、タンクレストイレは本体工事だけでなく付随する工事費用がかかることがありますので、その分だけ工事費用総額が高くなる可能性があることを想定して、トイレリフォームの予算を立てる必要があります。
内装の変更にかかる費用
前項でも少しふれましたが、トイレリフォームの際に内装工事も行う場合は、その分だけ費用が発生します。
よくあるのは壁紙や床材の交換です。
これは業者に依頼すると3万円~6万円ほどかかります。
その他にも、タンクレストイレに交換するために手洗い場を設置したり、トイレットペーパーなどを収納する棚を設置したりするような工事を依頼する場合は、それらにいくらぐらいかかるかを見積もってもらい、予算を準備する必要があります。
トイレの内装工事にはさまざまな種類があり、業者が多くのオプションを用意していることもあります。基本的には、内装工事も作業が増えるとそれだけ人件費がかかるものですから、オプションを増やしすぎると工事費用総額が増えることに注意してください。
中には高級な資材を使用する内装工事もあります。そうした資材は購入費用だけでも相応の金額になりますので、特に工事費用が高くなることに注意しましょう。
トイレ本体のグレードで費用が変わる交換工事と比べると、内装工事ではそこまで高くなるようなケースは珍しいのですが、あれこれオプションを追加すると、思ったより費用が積み重なって総額が増えることもあるので、無視できる費用ではありません。
内装工事費用を少しでも抑えるなら、使用する資材のグレードを落としたり、優先順位の低いオプションは選択するのをやめたり、業者に依頼せずDIYでチャレンジしたりすることを考えましょう。
トイレリフォームの満足度という面から考えると、内装工事の有無、さまざまなオプションの有無は重要な要素になります。予算と相談しつつ、できるだけ希望をかなえられるようなリフォームを業者に依頼してください。
電気工事が必要な場合
トイレリフォーム工事で「電気工事」が必要になる場合は、本来の工事費用にさらに2万円~5万円ほどの追加費用が発生します。
タンクレストイレのように、トイレ内で電気を使用することになる場合は、電源としてコンセントの増設が必要になります。
タンクレストイレに交換するのでなくても、温水洗浄便座(シャワートイレ)を使う場合にも便座が電気を使用するので、コンセントが必要です。
すでにコンセントはあるけれども、差込口が足りないという場合は、1万円ほどの工事でコンセントを増設してもらえます。
トイレのリフォームによってトイレ内で電気を使用することになる場合は、必ずコンセントを増設してもらってください。
和式から洋式へ変更する場合
「和式トイレ」を洋式トイレにリフォームする場合は、通常の「洋式から洋式へのリフォーム」より費用がかさんでしまう可能性が高くなります。
費用がかかる理由は、和式から洋式への変更には作業が多くなるからです。
たとえば、和式トイレには便器の部分に段差があります。この段差は洋式トイレには不要ですから、段差を撤去する工事が必要なのです。
また、和式トイレと洋式トイレでは配管の位置が異なることがあります。その場合はリフォーム後の洋式トイレに合わせて、配管の位置を変更する工事をしなければなりません。
このように和式トイレと洋式トイレでは仕様が異なるため、その変更の工事を行う費用が追加発生するので、工事費用総額が高くなる可能性が高いのです。
プロの一言アドバイス
トイレリフォームの費用を抑えるためにDIYを取り入れる場合は、技術的にも知識的にも自分でできる自信があることだけに留めておくのがいいでしょう。
プロである業者のように高品質な仕上がりにするのは難しく、失敗すると、リフォームそのものの満足度を下げることになりかねません。