トイレの交換を業者に依頼すると、どのくらいの費用が相場でしょうか。
交換するトイレのグレードやその他のリフォーム内容などの条件によって幅がありますが、おおむね10万円~30万円の工事費用になると思います。
昨今は生活費が高騰していますから、「いくらかかってもいい」という人などいないでしょう。家計への影響を考えれば少しでも費用を抑えたいところですよね。
そこで、トイレ交換の費用を少しでも安く抑える方法について解説します。
リフォームの範囲を明確にする
1つ目のポイントは「リフォームの範囲を明確にする」ことです。
トイレ交換は、単に便器を交換するだけでなく、床や壁、収納棚などの内装も含めてリフォームを行うことも含まれます。
しかしすべての箇所に機能性やデザイン性を重視して製品のグレードを上げてしまうと、リフォーム費用は青天井で膨大な金額になってしまいます。
「トイレ本体だけを交換したい」のか、「内装のリフォームも視野に入れる」のか。
トイレ交換を検討するなら、ある程度のリフォーム範囲を明確にしておく必要があります。
見積もりを依頼する際に、業者が勧めてくるままにオプションを増やしてしまうと、いつの間にか予算を大幅にオーバーしていた、ということになりかねません。
リフォームしたい範囲をあらかじめ明確にしておけば、余計な工事に予算が圧迫されてしまう心配はないでしょう。
だからといって「便器の交換だけでいい」と考える場合にも注意が必要です。
新しい便器を取り付ける際に、交換前の便器と形状が違うために古い便器の跡が床にはみ出してしまうことがあります。
床がへこんだりしていて跡が消えないケースもありますから、長年同じ便器を使っていた場合は、床の張り替えも行わなければならない可能性があることを念頭に入れておきましょう。
このように、本当に必要な部分にはお金をかけて、必要かどうか微妙なことに関しては予算の許す範囲でお金をかけるようにすれば、予算オーバーの憂き目にあうことは少なくなるはずです。
複数の会社に相見積もりを依頼する
2つ目のポイントは「複数の会社に相見積もりを依頼する」ことです。
トイレ交換工事を依頼する際には、事前に業者から見積もりをもらい、その金額と内容に納得すれば契約が成立し、本格的な工事がスタートすることになります。
その際、1社にだけ見積もりを依頼するのではなく、複数の業者に同じ条件で見積もりを出してもらうことを「相見積もり」といいます。
相見積もりは、トイレ交換工事の費用を安く抑えるための重要なポイントです。
トイレ交換に限りませんが、工事の費用というものは、同じ内容の工事であっても業者によって金額が大きく違います。
たとえばA社が15万円の見積もりを出したとして、B社は12万円、C社は18万円の見積もりを出してくることは普通にあり得ます。
このとき、もしA社だけからしか見積りをもらっていなければA社と15万円で契約していたことになります。つまり3万円も節約できるB社と契約するチャンスを失っているのです。
相見積もりは、このように複数の業者が出してきた見積金額を比較することができ、その中から納得できる金額を提示した業者を見つけ出すことができるのです。
ここで注意してほしいのは、見積金額が安いことだけが良い業者の見つけ方ではないということです。あまりにも安すぎる金額を提示してくる業者には注意が必要です(詳しくは後述します)。
しかし本記事のテーマは「安くする方法」ですから、ここでは見積金額が相場よりも安ければ施工費用を節約してトイレ交換を成功させることができるということを強調しておきたいと思います。
補助金制度の対象になるかを確認する
3つ目のポイントは「補助金制度の対象になるかを確認する」ことです。
特定の条件を満たすと、トイレ交換にかかる費用に対して補助金が交付され、業者に支払ったトイレ交換工事費用が戻ってくることがあります。つまり実質的に安い金額でトイレ交換ができるのです。
トイレ交換工事は数十万円かかりますから、こうした補助金を活用して工事費用を節約できれば、家計に与える影響も抑えられるでしょう。
ただし、どのようなトイレ交換でも補助金が出るわけではありません。
たとえば「節水効果のあるトイレに交換する」「バリアフリー目的でトイレをリフォームする」といった場合には補助金が使える可能性があります。
注意すべきポイントとしては、まず申請のための要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。
補助金ごとに要件が細かく設定されており、少しでも満たしていない場合には補助金を申請することができません。
また、自治体によってはトイレ交換に使える補助金がなかったり、すでにその年度では申請が終了してしまっていることもあります。
詳しい内容は各自治体のホームページを見たり、役所の窓口で問い合わせたり、補助金の対象となっている業者に相談したりすると良いでしょう。
交換する製品のグレードを下げる
4つ目のポイントは「交換する製品のグレードを下げる」ことです。
トイレ交換工事にかかる費用の内訳を見ると、大まかには、「便器など資材の購入費用」「工事にかかる人件費等」「その他の諸費用」となります。
つまり、購入する便器や便座などの購入金額が高ければ高いほど、工事費用の総額も高くなるわけです。
たとえば便器なら、一般的には組み合わせトイレが最も安く、次いで一体型トイレ、最も高額なのはタンクレストイレと価格に大きな差があります。
便座も同様で、最新の温水洗浄便座のようなものほど高額で、製品によっても数万円の差があります。
つまり、こうした購入する製品のグレードを下げることによって、資材の購入費用を節約し、工事費用総額を抑えることができるのです。
もちろん製品のグレードを落とすと、その分だけトイレの利便性は下がります。それではトイレを交換する意味がない、ということになるかもしれません。
トイレ交換の目的やニーズを満たしつつ、どこまでグレードを下げられる余地があるのかを見きわめることが重要なポイントなのです。
たとえば、便器はそのまま現状のものを使用することにして、便座だけを温水洗浄便座に交換するという選択肢もあるでしょう。それなら便器の購入費用を丸ごと節約することができ、なおかつ温水洗浄便座を導入することでトイレの利便性も向上させられます。
こうしたかけ引きひとつで、トイレ交換工事費用は大幅に変わる余地があります。交換を希望するトイレのグレードについて検討することは大事なのです。
可能な範囲でDIYを選択する
5つ目のポイントは「可能な範囲でDIYを選択する」ことです。
前項で述べたように、トイレ交換工事の内訳には「工事にかかる人件費等」も含まれています。
つまり業者に依頼する仕事を少しでも減らすことができれば、この人件費を抑えることができるわけです。
業者に依頼する仕事を減らすというのはどういうことかというと、トイレ交換に必要な作業のうち、自力でできることは自力でやるということです。
たとえば、壁紙の交換は自分で行い、トイレと床材の交換だけは業者に依頼するなら、本来は壁紙の交換にかかる人件費を節約でき、その分だけ工事費用も抑えられます。
もちろんDIYにもデメリットはあります。
自分の手間も材料費もかかりますし、仕上がりの品質はやはりプロには劣るでしょう。
しかし手先が器用で日ごろからDIYの経験が豊富な方なら、可能な範囲でDIYの作業に振り返ることで費用を抑えられます。場合によっては、自分で施工したことで愛着がわくかもしれません。
どこまでDIYでできるかは人によりますが、可能な範囲でDIYを選択して、DIYでは難しい範囲については業者に任せることで、工事費用の節約を検討してみましょう。
一括見積サイトはおすすめできない
6つ目のポイントは「一括見積サイトはおすすめできない」という点です。
上のほうで、相見積もりをとることを推奨しましたが、見積もりを業者からもらうのにはそれなりの手間と時間がかかるという難点があります。
ネットにはそのような面倒をなくしてくれる「一括見積サイト」というものがあり、条件を入力することで複数業者からの見積もりを取り寄せてくれます。
しかし、いくら最安の業者を見つけたくても、一括見積サイトを利用することはおすすめできません。
なぜなら、一括見積サイトの利用は個人情報を流出させてしまうリスクがあるからです。
一括見積サイトに情報を入力すると、そのサイトに登録している業者に一括でその情報が送信されますが、その中には電話番号やメールアドレスなどの重要な個人情報が含まれています。そのため、ただ見積もりを返すだけでなく、営業電話や勧誘メールなどを大量に送ってくる業者がいるのです。
1社や2社ならともかく、何十社からもそんな営業を受けるとなると、対応するだけでもひと苦労ということになりかねません。
悪質なサイトの場合は個人情報が名簿として流出し、関係のない業者からの営業電話や勧誘メールまで届いてしまうこともあります。
最安値の業者を見つけられる一括見積サイトの便利さに釣られて、こうしたデメリットにはまってしまうことは避けましょう。
相見積もりは、多少面倒でもご自身の手で業者を選定して依頼することをおすすめします。
トイレ以外のリフォームも検討してみる
7つ目のポイントは「トイレ以外のリフォームも検討してみる」ことです。
トイレだけでなく、キッチンや浴室などの水回りのリフォームも対応できる業者があります。
そうした業者にトイレ以外のリフォームもセットで依頼すれば、リフォーム費用を抑えることができるでしょう。
もちろん複数のリフォームを依頼するのですから工事費用総額は高くなりますが、セットで依頼すれば値引きをしてくれる可能性が高いでしょう。
トイレ単体でリフォームを依頼するより割安の価格になるわけです。
トイレ以外にリフォームの必要性がなければこの方法は使えません。
また予算の問題がありますので、誰でもできることではありませんが、キッチンや浴室などの老朽化が気になっている場合は、予算を捻出してセットでのリフォーム工事を検討してみてください。
プロの一言アドバイス
最近のトイレは技術が進化しており、機能性の高いトイレでもリーズナブルな価格で販売されていることがあります。
トイレはさまざまな製品がありますので、トイレ選びだけでもそれなりの時間がかかるかもしれません。