まず、トイレ交換を検討する際に知っておくべき基本から解説しましょう。
トイレを新しくするメリットとは
トイレを交換して新しくすることには以下のようなメリットがあります。
トイレが新品になる
1つ目のメリットは「トイレが新品になる」ことです。
新品の便器と取り換えるのですから、ご自宅のトイレがきれいな新品になります。今お使いのトイレに、ヒビなどの老朽化があった場合は、それも解消できます。
老朽化したトイレにはさまざまなトラブルが起こる可能性があるので、そうした心配をしなくてすむことはひとつのメリットであると言えます。
新しいデザインでトイレの印象が変わる
2つ目のメリットは「トイレの印象が変わる」ことです。
最新デザインのトイレに交換すると、トイレ内の印象がガラリと変わります。
最近のトイレはスタイリッシュなデザインを採用しているものが多く、トイレ交換を機に壁紙や床材もセットでリフォームすれば、トイレの印象は劇的に良くできるでしょう。
さまざまな機能で利便性アップ
3つ目のメリットは「さまざまな機能で利便性アップ」という点です。
最新トイレにはさまざまな機能が搭載されています。
たとえば「防汚加工」「消臭機能」のようにトイレの利便性が格段に向上する機能を搭載しているものもあります。
一体型トイレやタンクレストイレなら、組み合わせ型トイレのような「掃除しにくい箇所」がなく、トイレの清潔さを保ちやすくなります。
機能性の高いトイレは価格も高くなりますが、毎日使うトイレの利便性が向上するということは、生活全体の質が高くなるということでもあります。
ぜひ、さまざまなメーカーの製品を見比べてみてください。
節水・節電になる
4つ目のメリットは「節水・節電になる」ことです。
最新トイレには節水効果や節電効果が高いものがたくさんあります。こうしたトイレに交換すれば日々のご家庭の水道代や電気代を節約できます。
昨今、生活費が高騰し続けていますので、節水・節電効果の高いトイレに交換して家計を手助けできることは大きなメリットです。
トイレが広く使える
5つ目のメリットは「トイレが広く使える」ことです。
トイレは製品によって前後の幅が大きく異なります。特にタンクレストイレの場合はタンクがない分だけ奥行きが広くなります。
広くなったトイレは使いやすくなり、収納スペースなどの設置場所も確保できるかもしれません。
ただしトイレによって奥行きなどのサイズが違うので、トイレを大幅にリフォームする際にはトイレの寸法とトイレ内のスペースの寸法をきちんと計測しておく必要があります。
トイレを交換すべきケース
トイレに関して以下のような希望や悩みがある方には、トイレ交換をおすすめします。
トイレの印象を大きく変えたい
「トイレの印象を大きく変えたい」なら、トイレ交換がおすすめです。
トイレを交換したり、トイレ内の壁紙・床材をリフォームすると、トイレ内の印象は大きく変わります。
便器を交換するだけ、たとえば組み合わせトイレからタンクレストイレに交換するだけでも、スタイリッシュさが大きく増し、理想的なトイレ空間を演出できるでしょう。
トイレが老朽化・破損している
「トイレが老朽化・破損している」なら、早めにトイレを交換すべきです。
トイレは老朽化したり破損したりすると、水漏れや詰まりといったトラブルが起きやすくなります。
トラブルが起こるたびに業者を呼んで修理したりするのは手間もお金もかかりますので、トイレ交換は早めに検討するのがおすすめです。
他のリフォームを検討している
「他のリフォームを検討している」という場合も、トイレ交換を検討するには良いタイミングです。
たとえばキッチンや浴室のリフォームを同じ業者にセットで依頼できる場合があります。この場合、個別の業者に別々に依頼するより費用総額を抑えられる可能性が高いでしょう。
せっかく水回りやご自宅のリフォームを検討するのなら、トイレのリフォームもあわせて検討するのがおすすめです。
バリアフリーにしたい
家を「バリアフリーにしたい」という場合には、トイレをリフォームすることは欠かせません。
たとえばご家庭に高齢の方や障がいのある方が同居されているのなら、ご自宅をバリアフリーリフォームしないと、生活が大変不便です。
トイレもまたバリアフリーの対象となる設備です。トイレをバリアフリーにするのにあわせて、トイレ自体の交換も検討するのがおすすめです。
トイレ交換を請け負ってくれる業者の種類
さて、トイレ交換を業者に依頼する場合、どのような業者に依頼すべきなのでしょうか。
信頼できる業者であることが最重要の条件ではありますが、その前に、トイレ交換に関しては大きく3種類の業者から選ぶ必要があるのです。
工務店・リフォーム業者
どちらも、キッチンや風呂などの水回りと一緒にトイレも交換するような水回り一式工事や、間取りを変更するなどの大がかりなリフォーム工事のように、ある程度のボリュームがある工事を得意としている業者です。
この業者が工事を行う場合、単に便器を交換するだけのような数時間で完了する施工はあまりないでしょう。たとえば和式トイレを洋式トイレにリフォームするような大掛かりな工事は、このような業者が対応することが多いです。
また、これは業者によって異なりますが、実際にトイレ工事に必要な設備を調達したり内装工事を行うのは下請けの会社が担当することも多いようです。
トイレの壁紙や床材の交換もセットで行いたいという場合や、キッチンなどほかの水回りのリフォームもセットで行いたいという場合には、これらの業者が優先的に選択肢になるでしょう。
水道修理業者
こちらは、水漏れなどの緊急性の高い工事対応をメインとしていて、トイレに関しては交換工事よりも修理・修繕などの作業を得意としている業者です。
水漏れなどは被害が拡大しやすいので、修理対応に急を要します。そのような事態が起こったときにすぐに駆けつけてくれる業者が多く、その場で見積りも出してくれるので、依頼するかどうかを即時に判断しなければならないこともあります。
企業規模がわからないことも多く、また、ホームページを調べても、掲載されている費用と実際の費用が異なる場合もあります。不明な点は納得できるまで確認することをおすすめします。
普段から緊急時に連絡しようと思っていた信頼できる水道業者があり、シンプルな交換工事だけを依頼したい場合にはおすすめできる業種です。
ホームセンター・家電量販店
これらのお店では、実際にトイレを展示しているところもありますので、トイレの実物を見ながら検討することができる業者です。
取り扱っている商品のほとんどが「リテール品番」で、メーカーのホームページに掲載されている品番とは異なることに注意する必要があります。
トイレ工事そのものは、提携業者に外注して施工しているお店がほとんどです。そのお店の担当者が施工しに訪問してくることはあまりないでしょう。
トイレの実物を見ながらリフォーム内容を検討したい場合におすすめの業者(お店)です。
「一括見積サイト」は利用するべき?
ネットには、複数の業者から一度に見積もりを取得することができる「一括見積サイト」というものがあります。
依頼先の業者が何社もあり、そのうちのどの業者に依頼すべきかを決めなければならない場合、一件ずつ連絡するのが面倒だという理由で「一括見積サイト」を利用する方も多いようです。
簡単な操作だけで、複数の業者に見積もり依頼ができるので、初めから相見積もりをとろうと思っている人にとっては便利だと思います。
しかし、私たちプロの目線で言わせてもらうと、この「一括見積サイト」を利用することはあまりおすすめできません。
その最大の理由は、「複数の業者から営業の連絡が来る」ということです。
一括見積サイトを利用するためには、利用者の電話番号などの個人情報を入力する必要があります。
そこで、一括見積サイトに登録している業者たちは、その個人情報を見て営業の電話をかけてくるのです。
もしかしたら、中には有益な情報を知らせてくれる業者もあるかもしれませんが、多くの場合は興味のない話のほうが多いと思います。しかも、実際に契約する業者が決まった後でも容赦なく営業電話がかかり続けます。また、そうした個人情報が闇名簿のようなものに利用される可能性もゼロではありません。
相見積もりをとろうと思っていても、一括見積サイトを利用することはやめ、ご自身で気になる業者をピックアップして見積もりを依頼するのが一番です。
トイレのタイプ別のメリットとデメリット
トイレには大きく3つのタイプがあります。交換するトイレを決めるために、タイプ別のメリットとデメリットについて知っておきましょう。
組み合わせトイレ
「組み合わせトイレ」は、便器本体とタンクが別々になっているトイレです。
それぞれ個別になっているため、かりに便器本体が破損してもタンクは修理せずにそのまま使えるので、最低限の交換作業と費用だけで済みます。
また、3つのタイプの中では最も安価で販売されています。
組み合わせトイレのデメリットは、デザインがありふれているため、古臭いと感じる人がいるということです。また便器本体とタンクの間の隙間が掃除しにくく、汚れが溜まりやすいというデメリットもあります。
一体型トイレ
「一体型トイレ」は、便器本体とタンクが一体になっているトイレです。
デザインとしては組み合わせトイレより新しく、隙間もないので掃除しやすいことがメリットと言えます。
3種類の中では価格は中間です。
デメリットとしては、一体であるゆえに1か所でも破損して交換しなければならなくなると、組み合わせトイレのようにタンクを切り離して交換することができないため、交換コストが高くなりやすいことです。
タンクレストイレ
「タンクレストイレ」は、水を貯めておくタンクが存在せず、水道管から直接水を流すタイプのトイレです。
タンクレストイレは何と言ってもデザインがスタイリッシュで、奥行きが広く使えるということもあり、昨今ではとても人気があります。
デメリットとしては、水道管から直接排水を行う仕組みなので、水道管の水圧によってはタンクレストイレを設置できない場合があるということです。
価格は3種類の中で最も高額で、交換費用が最も高くなりやすいのはデメリットと言えます。
組み合わせ便器には別途便座が必要
最もオーソドックスな組み合わせ便器に交換する場合は、「便座」をセットで用意する必要があります。
便座も、特別な機能のない普通の便座から、温水洗浄機能の付いた便座までさまざまなものがあります。
温水洗浄便座などの便座は電気を使うので、トイレ内に電源を確保する必要があります。
機能によって価格帯もさまざまです。
なるべく安い費用でトイレを新しくして使い勝手を変えたいのなら、いっそのこと便座だけを交換するという判断もありだと思います。
プロの一言アドバイス
今使っている便器が破損しているというような緊急のケースでないのなら、トイレ交換の計画は時間をかけて家族とよく話し合ったほうがいいでしょう。
一度交換してしまえば当面はそのトイレを使わなければなりませんので、トイレ交換で後悔しないためにも入念な計画が重要です。