トイレはどんな家にも一つはありますが、一つだけでなく、複数のトイレがあると何かと便利になります。
たとえば家族の人数が多い場合などには、朝の混雑で困ることが減りますし、1階にトイレ、2階に寝室という家では、夜中にトイレに行くのが楽になるでしょう。
このため、今使っているトイレと別に、もう一つトイレを増設したいという希望を持っている方は少なくありません。
トイレを増設するにはそのためのスペースが必要ですが、それがない場合は家自体を増築する工事を行うことになります。
増築を含む工事費用となるとかなり高額になりますが、トイレ増設にかかる費用の相場を知りたいという方のために、ケース別の費用相場と工期を開設しましょう。
建物の2階にトイレを設置する場合
まず、よくある「建物の2階にトイレを設置する工事」の費用相場と工期の相場について解説します。
費用相場
建物の2階にトイレを設置するリフォーム工事は、50万円~100万円の費用がかかります。
ただしこれは家自体の増築を行わない場合です。新しいトイレのためのスペースがなく、家自体を増築しなければならない場合は、もっと多くの費用がかかります。
たとえば増築したスペースにトイレの設置工事を行うなら、上記の倍ほど、80万円~200万円の費用がかかるでしょう(どのような増築を行うのかということによって、費用は変動します)。
「1階にトイレを設置する場合」より、「2階にトイレを設置する場合」のほうが、かかる費用は大きくなります。
なぜなら、2階建ての家の水回りは1階に集中していることが多く、2階には給排水管が設置されていないため、新たに配管工事が必要になるからです。その分だけ工事費用が割高になります。
工期の相場
建物の2階にトイレを設置するための工期は、最短3~5日ほどかかることが多いでしょう。
配管が近い場所にトイレを設置する場合なら、必要な作業量が比較的少なく、工期も短めになりますが、大掛かりな配管工事や、間取りの変更などもある場合には、1週間前後の工期を想定しておく必要があります。
家自体の増築を行った上でトイレを設置する場合には、さらに長い「3週間前後」の工期を想定しましょう。
トイレ増設にかかわらず工事全般に言えることですが、「必要な作業量が多い工事ほど工期は長くなる」ということを念頭に置いてください。
バリアフリーリフォームに伴うトイレの増設の場合
次に多いのが、「バリアフリーリフォームに伴うトイレの増設」です。この場合の費用相場と工期の相場を解説しましょう。
費用相場
家をバリアフリーリフォームする場合、トイレもバリアフリー対応のものを増設することが多いでしょう。
この場合の費用は、普通のトイレを増設するより数十万円ほど高くなります。
家のバリアフリー工事費用も含めると、工事費用はかなり高額になりますので、リフォーム工事を依頼する業者にバリアフリートイレの増設も依頼したほうがいいでしょう。
要介護者や高齢者のケガのリスクを考えると、バリアフリーにかける費用はあまりケチるべきではありません。少しでも節約したい場合は、重要性が低いのはどこかを検討したり、バリアフリーリフォームに関する補助金を利用することを検討したりすると良いでしょう。
工期の相場
バリアフリー対応のトイレを増設するには、普通のトイレ増設工事に半日~1日ほど足した工期を想定してください。
もちろん、リフォーム工事そのものや、増築も行う場合には、それに応じた工事期間がかかります。
健常者なら自宅のトイレが使えなくても外でなんとかすることができますが、バリアフリートイレを増設するということは、要介護者や高齢者がいるわけですから、工事期間中のトイレ問題をどうするか、よく計画しておく必要があります。
家全体のリフォーム工事を行うなら、建物の広さや工事内容などによって工事期間がそれなりに長くなることを覚悟して、業者と相談しましょう。
マンションのトイレ増設の場合
「マンションにトイレを増設したい」というご相談もよく承ります。
マンションにトイレを増設するのは比較的珍しいですが、間取りや家族構成、介護などの状況によって、バリアフリー対応のトイレを増設するケースも、それなりにあります。
この場合の費用は、普通のトイレならおおむね70万円~150万円ほど、バリアフリー対応のトイレにする場合はさらに高額になります。
間取りを変えるような工事が必要になる場合には、さらに高額な工事費用がかかるでしょう。
ただ、マンションの場合は、費用のことより、「管理規約の確認」が必要になりますので、注意してください。管理規約で認められていない場合はマンションに新しくトイレを増設することはできません。
同時に行うと費用を節約できる工事
トイレの増設や新設を行うなら、「ほかの水回り工事」も一緒に依頼したほうが費用がお得になります。
ほかの水回り工事とは、たとえば「キッチンのリフォーム」「浴室のリフォーム」といった工事のことです。
同じ業者に、トイレの増設と合わせてキッチンや浴室のリフォームを発注すれば、個別に依頼するより全体の費用が割安になるからです。
水回りの工事においては共通の個所を工事することが多いので、個別に工事するよりまとめて工事することができ、その分の人件費を節約できます。
複数の工事を依頼することで、業者とも交渉する余地ができます。業者側から割引を申し出てくれるケースもあるでしょう。
トイレ増設を検討していて、キッチンや浴室の耐久性・機能性も改善したいと感じているなら、少しでも割安に工事してもらえるように、水回り全般の工事を依頼することも検討してください。
もちろん、今使っているトイレのリフォーム工事を合わせて依頼するのもお勧めです。
設置費用に差が出るポイント
トイレの増設工事にかかる費用は工事の内容や業者によって違いますが、同じ業者でも、費用に差が出るポイントがあります。
工事内容が同じでも、取り付ける便器のグレードや、温水洗浄便座のような機能性の有無によっても、工事費用には差が出るのです。
バリアフリー対応にするかどうかということでも、工事内容が変わりますので、工事費用の差が出ます。
トイレ増設にかかる費用を少しでも抑えるなら、便器のグレードなどを業者と相談してみましょう。
プロの一言アドバイス
なんらかの事情で難度が高くなる工事だと、相場より高額な費用が発生すると思ってください。
一般的な公示費用の相場は、複数の業者から相見積もりをとるとおおよそわかります。
よほど急いでいる場合は別ですが、そうでなければ3社程度の業者から相見積もりとって相場を確かめておきましょう。