「まだまだうちの便器は使えるから便器交換はまったく考えていない」というご家庭も多いと思います。
実際、耐用年数や使用感に問題がなければ、すぐに交換する必要はないでしょう。
とはいえ、耐用年数が来る前に便器交換することには、さまざまなメリットがあるのです。
掃除の手間が減る
1つ目のメリットは「掃除の手間が減る」ことです。
トイレは家族全員が一日に何回も使う設備ですから、それだけ汚れやすい箇所です。
衛生面や使用感を考えるとなるべくきれいに保っておきたいところですが、掃除に手間がかかるので、常に理想的な衛生状態を保つのはなかなか難しいでしょう。
掃除を怠って掃除が行き届いていない状態が続くと、汚れや臭いが便器にこびりついてしまい、トイレの使用感が悪くなってしまいます。
これが必然的に生活の質を下げる原因になってしまいかねません。
最新式の便器にはお手入れがしやすいものもあります。たとえば汚れが溜まりやすい便座のフチがフラットになっていたり、便座とタンクの隙間をスイッチで上げることができたりする製品もあります。ほかにも、温水洗浄機のノズルを自動洗浄してくれる製品もあります。
トイレの掃除の手間を少しでも減らせれば、家事を行う方の時間を節約することになります。トイレの清潔感を高レベルで維持できるだけでなく、トイレ掃除に費やしていた時間をほかのことに使うこともできるようになります。
今使っている便器を掃除するのが大変と感じているような場合は、最新の掃除しやすい便器に交換してリフォームすることを検討してみてください。
節水・節電につながる
2つ目のメリットは「節水や節電につながる」ことです。
地域によっては水不足や電力ひっ迫などの影響で、節水や節電が呼びかけられています。
長く続いている物価高の影響で、家計を節約するために節水や節電に励み、水道料金や電気料金を節約しているご家庭も多いのではないでしょうか。
トイレは、水を流すための水道代や温水洗浄機を使用するために電気代がかかります。
古いタイプのトイレでは、1回に14~15リットルほどの水を流します。温かい便座やウォシュレット付きのトイレは、使用するたびに電気代がかかります。
技術の進歩により、最新式のトイレは1回で流す水の量が4~5リットルに抑えられています。つまり1回あたり10リットルほども水の量が少なくて済むのです。一日で流す水の量で考えれば、かなりの節水になります。
消費電力が少なくて済むように設計されている温水洗浄機も増えており、便座を温める機能をオフにしたり、温水シャワーの温度を下げたりといったことを機械が自動で行ってくれるので、常に便座を温め、水を温めていた従来のトイレよりも相当な節電効果を期待できるようになっています。
一回あたりの金額で考えれば、節水金額と節電金額は大したものではありませんが、それを10年間使用するとを考えれば、トータルで10~15万円ほどの節約になる計算になります。
これは家計に大きく影響します。先ほど書いたように便器を交換するには10万円前後の費用がかかりますが、長く使いつづけるだけ節約になり、さらに日々の使用感が改善されることも考慮すれば、大きなメリットになるのではないでしょうか。
新機能でトイレが快適になる
3つ目のメリットは「新機能でトイレが快適になる」ことです。
最新のトイレにはウォシュレットや温水効果など、快適に使用できるさまざまな機能が搭載されていますが、まだそうした機能を搭載していない古い便器を使用しているご家庭もあります。
故障やお手入れのしにくさなどのマイナス面から便器を交換することになったわけでなく、「便利な機能の付いたトイレにしたいから」という理由で便器を交換するご家庭も多いのです。
最新式の便器は、便器の中を清潔に保つ機能、節水機能、蓋や洗浄のオート機能など、さまざまな便利な機能が搭載されています。
もちろん、便器を交換する費用はかかりますが、節水・節電機能の充実したトイレに交換することでランニングコストを抑えられるだけでなく、高機能トイレの快適機能を毎日使えることができるメリットを享受できます。
プロの一言アドバイス
多機能な便器ほど製品価格も高額です。とはいえ、あらゆる機能をすべて揃える必要はありません。
今お使いの便器と比べて、必要な機能を備えている便器を選べば、便器交換にかかる費用を少しでも抑えることができるはずです。