トイレのリフォームにおいてリモデル便器を採用するかどうかが重要だと書きましたが、そもそもトイレのリフォームを成功させるには、さまざまな点に気を配る必要があります。
そこで、リモデル便器のこととは別に、トイレのリフォームそのものに失敗しないためのポイントについて解説します。
今後のことを見据えて計画する
1つ目のポイントは「今後のことを見据えて計画する」ことです。
トイレというものは家族全員が使用する設備です。
将来的に家族の介護が必要になることが予想されるなら、バリアフリーなトイレにリフォームするという選択肢も考えられます。
そんなものが必要になるまでにはまだ10年以上も先だから、と思う方もいるかもしれません。しかし、トイレはそんなにこまめにリフォームする必要がある場所ではありません。
10年先と思っていても、もしかしたら5年先に必要になるかもしれない可能性を見すえ、先んじてリフォームすれば、工事費用が無駄になることはないのではないでしょうか。
トイレのリフォームを計画するなら、先のことまでしっかりと見すえ、当分の間はトイレのリフォームをしなくても済むようにしたほうが、失敗のリスクがありません。
トイレのリフォームを計画する場合は家族全員で話し合って、将来的にどのようなトイレにしなければならない可能性があるかを相談し、工事担当者にそれをしっかり伝えましょう。
予算とリフォーム内容を決める
2つ目のポイントは「予算とリフォーム内容を決める」ことです。
リフォーム工事にはお金がかかりますから、早い段階からちゃんと「予算」を決めておくことが必要です。
大体の予算が決まれば、その予算でどのくらいトイレをリフォームできるかということも見えてきます。
予算をまったく決めずにリフォームすることだけ決めると、思ってもいなかったような費用がかかることがわかり、実際にはリフォームの必要性が差し迫っているのに、当分はリフォームしないでおこうと思ったりすることになります。
そんなことに陥らないようにするために、リフォーム計画を練る最初の段階で予算を決めておくことが重要です。
予算を決めたら、その予算でどのようなリフォーム工事を実行できるか、業者の担当者と相談してリフォーム内容を決めましょう。
トイレのリフォーム工事の予算は、なるべく余裕をもっておいたほうがいいでしょう。
設備の交換と床・壁の張り替えを行うつもりで予算を組んでいたのに、実際に床を剥がしてみたら重要な部分に老朽化が進んでいることがわかり、結局大規模な修繕が必要になったというケースも珍しくないのです。
経年劣化などは実際に工事を始めてみないと判明しないことが多いので、できるだけ最初の段階で余裕を持った予算を組みましょう。
業者にしっかりと要望を伝える
3つ目のポイントは「業者にしっかりと要望を伝える」ことです。
トイレのリフォームを成功させるには、面倒でも業者と入念に打ち合わせてください。
スムーズに打ち合わせを進めるためには、リフォームする箇所や設備について、ある程度の知識を身につけておくことも必要ですし、家族全員の要望をまとめておくことも重要です。
知識がないために打ち合わせが業者主体で進められてしまうと、家族の要望を満たすことができないリフォームになってしまう可能性があります。
実際にリフォーム工事が終わってから後悔するようなことになったり、想像していたのと違うからと再度リフォーム工事を行うようなことにならないため、打ち合わせの内容で気になる点があったときは、納得できるまで担当者に質問するようにしましょう。
リフォーム工事が完了してしまった後では対応してもらえないことも多々あり、トラブルに発展してしまう可能性もあります。
そうしたリスクを避けるためにも、打ち合わせの段階でしっかりと話し合いを行い、こちらの要望を余すところなく担当者に伝えて、それを叶えられるリフォーム計画を練りましょう。
打ち合わせにはどうしても時間がかかりますが、面倒がって業者任せにしてしまうと失敗するリスクが高まります。入念な計画を練ることがリフォームを成功させるポイントです。
壁や床にもこだわる
4つ目のポイントは「壁や床にもこだわる」ことです。
トイレのリフォームすは、やはり便器を新しくすることがメインですが、トイレという空間のイメージをがらりと変えるために壁紙や床材を新調することも重要です。
機能性のある壁紙や床材に交換すれば、インテリア面だけでなく、トイレの使い勝手自体が改善されます。
便器が新しくなるだけでなく、手洗い場を新設したり、小物類で演出したりすれば、その相乗効果で、まるでホテルのトイレのようないインテリアにすることもできます。
中には、便器は交換せず、壁紙や床材だけを新しくするためにトイレをリフォームする方も多いです。この場合、工事費用は大幅に抑えられます。
ただ、壁紙や床材は安易な基準で交換すると、失敗してしまうこともあります。
トイレの壁紙や床材交換を検討する場合は、ショールームなどで壁紙や床材の実物をきちんと確認し、交換後のトイレの印象をしっかりとイメージしてから決めましょう。
優良業者にリフォームを依頼する
5つ目のポイントは「優良業者にリフォームを依頼する」ことです。
トイレリフォームを請け負う業者はたくあんありますので、どの業者に依頼するかを選定しなければなりません。
業者の中には、技術が伴っていないところもありますし、悪徳業者と呼ばれるようなところもあります。
技術力があり信頼できる優良業者に出会うコツをいくつか挙げてみましょう。
このうち、「見積もり」は、業者の質を見きわめる方法としてかなり有用です。
悪徳業者は出してくる見積もりがいいかげんで、それに対して質問してもまともに回答せずにはぐらかしたりする、という特徴があります。
できれば3社以上に相見積もりを依頼して、業者の対応の質を見きわめるといいでしょう。
ただし、もし何かリフォームを急ぐ事情があるような場合には、相見積もりを取る時間を節約するために、2社に絞って相見積もりを依頼するのがいいでしょう。
プロの一言アドバイス
メーカーと提携している業者の場合、便器を値引きできることもあります。
相見積もりでは業者の質を見きわめることも重要ですが、価格面でも比較することでリフォーム費用を節約することにもつながります。