タンクレストイレにリフォームする前に注意するべきポイントについて解説します。
タンクレストイレに交換できないケースもある
1つ目の注意点は、「タンクレストイレに交換できない可能性がある」ということです。
それはどういう場合かというと、「水圧」の問題です。
タンク付きトイレはタンクに溜めた水を一気に流す仕組みになっているので、給水側の水圧はさほど問題になりません。
しかしタンクレストイレは給水管に直結する仕組みになっているので、給水管の水圧が問題になる可能性があります。
要するに、トイレを流せるだけの水圧、つまり一気に流せる水の量が足りないと、タンクレストイレを使うことができないわけです。
築年数の古い住宅や、マンションの2階以上では、タンクレストイレ使用に十分な水圧を確保できないことが多いです。
ご自宅の場合はどうなのか、知りたいという方のために、具体的な水圧の調べ方を説明します。
まず「止水栓」にホースを取り付けて、バケツに10秒間放水して、どのくらい水が溜まったかを確認してください。それでその家の水圧がわかります。
タンクレストイレを使うのに必要な最低水圧は0.05Mpa。これは1分間で10ℓの水量を流せることができる水圧です。10秒間放水して溜まった水を6倍した量が10ℓに達しているかどうか確認しましょう。
ぜひ試してみてください。
便座やウォシュレットのみの交換ができない
2つ目の注意点は「便座やウォシュレットだけを交換することができない」ということです。
便座やウォシュレットが壊れたら速やかに交換する必要があります。
従来型のトイレは便器の仕組みが比較的単純ですから、やり方さえわかっていれば水回りに詳しくない素人の方でも容易に交換できるでしょう。
しかし、タンクレストイレは構造が複雑なので、そう簡単にはいきません。
タンクレストイレには電気回路などが組み込まれているため、複雑な構造になっていて、プロである業者でないと修理が難しいのです。
また、破損個所によっては便器そのものを交換しなければならないケースも多く、修理・交換費用がかさんでしまうという点は、タンクレストイレの大きなデメリットだと言えます。
別途、手洗い場の設置が必要になる
3つ目の注意点は「手洗い場の設置が必要になる」という点です。
従来のタンク付きトイレは、タンクの上部が手洗い場になっています。用を済ませた後すぐに手を洗えるので衛生的です。
しかし、タンクレストイレにはタンクがなく、当然ながら手洗い場もありません。
トイレのすぐ外に洗面所がある家ならいいかもしれませんが、洗面所がすぐ近くにない間取りの場合、手洗い場がトイレ内にないと不便です。
もちろん、トイレ内に手洗い場を設ければ問題ありませんが、トイレスペース自体が狭い場合にはそれもできず、できても極端に狭いトイレになってしまって、使い勝手がs悪くなることもあります。
停電時にトイレが使えなくなる可能性がある
4つ目の注意点は「停電時にトイレが使えない」という点です。
先ほども言ったようにタンクレストイレは基本的に電気を使います。
水道に直結している部分にフタをするための「電磁弁」のために電気を使うわけですが、水を流すのに電気を使っているということは、もし停電してしまったら、この仕組みが使えなくなるということになるのです。
タンクレストイレ製品によっては、特殊な操作をすることで停電時でもトイレを流せるものがありますが、面倒な操作になりますし、通常とは水の使い方が異なるので連続使用できないようになっています。
今までは停電したときにトイレが使えるかどうかを気にする必要はありませんでしたが、タンクレストイレの場合は停電時に使いにくくなるということは、気がつきにくいデメリットです。
プロの一言アドバイス
従来のトイレとの違いを把握せずにリフォームしてしまうと、のちのち後悔することになるかもしれません。
実際に導入する前に、どのようなデメリットが生じる可能性があるのか、よく把握しておきましょう。