まず、ひと口に「トイレの手洗い器」といってもさまざまなタイプがありますので、新設したり交換したりする参考にするために、ひと通り見ておきましょう。
一体型タイプ
「一体型タイプ」とは、トイレの上部にトイレタンクと手洗い器が一体になっているタイプの手洗い器です。
トイレを流すと同時にタンクに水が溜まるので、用を済ませた後すぐに手を洗えるというメリットがあります。
また、手を洗った水はそのままトイレタンクに給水され、次に水を流した際の水として使用されるため、効率的に水を使用できます。
そんな従来型の手洗い器のデメリットは、「手洗い器がある位置」です。
トイレ一体型の手洗い器は、手を洗うためには便座の奥にある手洗い器に手を伸ばすことになります。大人の男性なら困ることは少ないと思いますが、小さなお子さんやお年寄りにとっては、実はこれは使いにくくて不評なのです。
また、従来の手洗い器は水がたまるボウルが浅く、そのため水ハネしやすかったり、タオル掛けがすぐ脇にない場合には、手を移動するときに水がポタポタと床に落ちてしまうことがありました。
昨今増えているタンクレス型のトイレには手洗い器がないため、手洗い器を別途に設置しなければなりません。その場合は次の3つのタイプ(独立タイプ)から選択することになります。
キャビネットタイプ
「キャビネットタイプ」は、手洗い器の下に収納スペースがあるタイプの手洗い器です。
この収納スペースは、トイレ内で使用するトイレットペーパーなどの備品をしまっておくために使えて便利です。
トイレの内装に合わせてキャビネットの色や素材をチョイスすることもできるので、より統一性のある内装に仕上げることができ、トイレリフォームの満足度を高めることができるでしょう。
ただ、そのためにはそれだけのスペースが必要になります。
これは他の独立型手洗い器に言えることですが、「手洗い器を新設する」ということは、その分だけスペースが必要なのです。
3つの独立型手洗い器の中でも、キャビネットタイプの手洗い器は特に大きなスペースが必要になります。トイレというものはもともとあまり広い場所ではありませんので、無理にキャビネットタイプの手洗い器を設置すると、かなり使い勝手が悪くなってしまうかもしれません。
キャビネットタイプの手洗い器を設置する場合は、他のタイプ以上にトイレスペースとの兼ね合いを考慮したほうがいいでしょう。
カウンタータイプ
「カウンタータイプ」は、手洗い器の下にカウンターが設置されているタイプの手洗い器です。
キャビネットタイプと同じようにカウンターの色や素材を自由に選択することができるので、トイレの内装を思うように演出できます。
さらにカウンターの上にはちょっとした小物やミニ観葉植物、ハンドソープなども置けるというインテリア的な楽しみも増えます。
カウンタータイプの手洗い器は、手洗い時の水ハネをカウンターが受け止めてくれるので、他のタイプよりも床に水ハネするリスクが小さくなるメリットもあります。
デメリットは、やはり「設置するための空間が必要」ということです。
キャビネットタイプの手洗い器は上下に空間が必要ですが、カウンタータイプの手洗い器は横に空間が必要になります。
トイレの面積によっては、カウンタータイプの手洗い器を設置するとかなり狭くなってしまい、使い勝手が制限されてしまうこともあります。
壁付けタイプ
「壁付けタイプ」は、手洗い器だけをトイレの壁面に設置している、最もシンプルな手洗い器です。
このタイプの手洗い器にはキャビネットやカウンターなどが付属していないため、最も小さなスペースに設置でき、「とにかく手洗い器だけを設置したい」という場合にはおすすめできるタイプです。
奥行きが短いタイプやコーナーに設置できるタイプなどもあり、狭いトイレでも、うまく空間を有効活用して手洗い器を設置できます。
デメリットとしては、人によっては味気なさを感じてしまうかもしれないということです。
キャビネットタイプやカウンタータイプのようなインテリア性や機能性はないので、そういったことを求める人にとっては他の独立型手洗い器より見劣りしてしまうかもしれません。
予算やトイレの空間の余裕などの兼ね合いはありますが、内装にこだわってトイレをリフォームするなら、他のタイプの手洗い器を検討したほうが良いかもしれません。
プロの一言アドバイス
各タイプの手洗い器ごとにさまざまな商品があります。
希望するトイレのイメージに応じた手洗い器を吟味して選定しましょう。
できれば、カタログだけで選はず、ショールームなどで現物を目にすることをおすすめします。