まず、トイレや手洗いのリフォームのよくある失敗例を紹介しましょう。
失敗① 便器ごと交換すればよかった
1つめのパターンは「(便座だけ交換したけれど)便器ごと交換すればよかった…」という失敗です。
古くなって便座がガタついたりするので交換したけれども、便器がそのままだと、なんだか新しくなった気がしない、という不満を感じるケースです。
安くあがるからといって便座だけを交換すると、便座部分だけが新しくて、古い便器本体との釣り合いが取れなくなってしまうことがあります。
便器をよく見たら底が劣化して汚れも目立っていたり、なまじ便座がきれいなので便器の汚いのがひどく目立ってしまったり、という見た目の問題を感じたり、「水の流れがやたらと多い」という昔の便器に特有の機能的な不満をあらためて感じたりするかもしれません。
便器本体は丈夫なものですから、めったに割れたりすることはありません。長持ちするのは良いことですが、リフォームで便座だけを交換しても十分な満足度が得られない可能性が高いです。
失敗② 手洗い付きタンクが使いにくい
2つ目のパターンは「手洗い付きのタンクトイレにしたけれども使い勝手が良くなかった」という失敗です。
最近ではタンクレスのトイレに交換するリフォームも多いですが、価格の面で、タンクありのトイレを選ぶ方が少ないというわけではありません。
やはり手洗い付きの方が便利だと考えて、手洗い付きのタンクトイレを選ぶ方が多いです(タンクトイレでも手洗いが付いていないものもあります)。
ただ、手洗い付きのタンクトイレの「手洗い部分」はあまり大きなものではないので、水が飛び散らないように注意して手を洗わないと、トイレの床を濡らしてしまうことがあります。
こまめに床を掃除しなければならなかったり、電源に水が飛び散ってショートしたりしないかという心配も生まれます。
手洗い付きタイプの便器にするなら、そうしたデメリットにも留意することが必要です。
失敗③ 便器が大きすぎてトイレスペースが狭くなった
3つ目は「交換したら便器が大きくなって不便になった」という失敗です。
近年の便器は、昔の便器よりもゆったりしたサイズ感のものが多いです。
機能が多いことから最新の大きめな便器を選んで、失敗したと後悔する方もいるようです。
大形サイズの便器は、座り心地がゆったりしていますが、あまり広くないトイレだと、その分狭苦しく感じてしまうかもしれません。
特に体格が大きい方にとっては使いにくくなり、便器の奥の掃除もしにくくなります。
便器を交換する際にはトイレのスペースも考慮し、使用感が悪くならないように注意しましょう。
失敗④ 床材や壁紙のイメージが違った
4つめは「床材や壁材がに失敗してしまった」という失敗です。
たとえば「壁紙のせいで、なんだかやたらと圧迫感が感じるトイレになってしまった」「フローリングにしたので手入れが面倒だ」というパターンです。
トイレをリフォームする際、どんな床材・壁材を選ぶかということは非常に重要です。なぜなら床材や壁材によってはトイレの印象が大きく変わるからです。
デザインに凝りすぎたために趣味の悪い空間になったり、掃除のしやすさなど機能面がリフォーム前より劣る結果になったりすることもあります。
床材や壁紙にこだわりたいのは当然ですが、特に機能面はトイレの使い勝手にかかわるので、無視すべきではありません。
失敗⑤ ドアのつけ方を間違えた
5つ目は「トイレのドアのつけ方を間違えてしまった」という失敗です。
ドアの向きによって、トイレの使い心地が不便になってしまうことがあります。
昨今の住宅ではトイレのドアは外開きが主流ですが、築年数が古い住宅では当時の主流だった内開きドアのトイレもあります。
そのような場合は特に、狭いトイレ内でドアをよけながら閉めなければならず、不便です。バリアフリーの観点で考えても内開きには問題があります。
せっかくリフォームするなら、内開きのドアを外開きにすることを検討しましょう。外開きにするスペースがドアの外にない場合には、引き戸に変更するという方法もあります。
失敗⑥ 照明が暗すぎて不便
6つ目は「照明にこだわったら暗すぎて不便になった」という失敗です。
照明を変えるとトイレの雰囲気がガラリと変わりますが、インテリアを意識して間接照明にした結果、トイレ全体が暗くなってしまいがちです。
暗いトイレは手元や足元が見えにくくなり、もし何かを落としてしまうと見つけるのが困難になりますし、身体をぶつけてケガをしてしまうことも考えられます。
照明にこだわるなら、実際に展示場などに足を運び、照明が届く範囲などをチェックし、不便なトイレになってしまわないようにしましょう。
失敗⑦ 最新トイレの機能を持て余す
7つ目は「最新の高機能トイレにリフォームしたが、機能が多すぎて持て余して使いこなせない」という失敗です。
最新のトイレはさまざまな機能が搭載されていますので、本来であればトイレの利便性がかなり高まるはずです。
しかし、せっかくの高機能を家族が使いこなせないことも多いようです。
特に高齢者や小さなお子さんは最新の機能の使い方がわからず、戸惑ってしまうこともあります。
せっかく最新の高機能トイレに交換しても、使いこなせないのなら意味がなくなってしまいます。
失敗⑧ トイレ掃除がしにくい
8つ目は「リフォームしたらトイレが掃除しにくくなった」という失敗です。
たとえば手洗い場を別に設置したり、大型の便器に交換したりした場合、奥が掃除しにくくなることが多いようです。
トイレは清潔に保ちたい場所ですから、掃除のしにくさは日常的なストレスになります。
失敗⑨ コンセントがなくて不便
9つ目は「コンセントがなくて電気製品を使えない」という失敗です。
トイレで使う電気製品には、ウォシュレットや消臭器といったものがあります。
電池式は電池交換が面倒ですからAC電源で使えるものがおすすめですが、コンセントがトイレにないと使うことができなくなってしまいます。
リフォーム時にコンセントを設置するのを忘れると、電源が必要な機器を使えなくなることを忘れないようにしてください。
失敗⑩ アフターフォローのない業者に頼んでしまった
最後に紹介するのは「業者のフォロー不足に辟易する」という失敗です。
トイレは水回り施設ですから、リフォーム後に何らかのトラブルが発生する可能性があります。
ところが、業者の中にはリフォーム後のアフターフォローが十分でないところも多いのです。
その結果、別の業者にあらためて修理を依頼しなければならなくなり、余計な費用が発生してしまうこともあります。同じ業者がフォローしてくれていれば、もしかしたら追加費用がかからなかったかもしれません。
プロの一言アドバイス
このような失敗例を把握すると、どんなことに気をつけるべきかということがわかりますので、トイレのリフォームでミスを犯さずにすみます。