思い描いたイメージのままにトイレをリフォームしても、必ずしも満足度の高い結果が得られるとは限りません。
入念に検討せずに、やみくもに好みを反映させたために、できあがったトイレがなんとなく落ち着かないものになってしまった、というケースも珍しくないのです。
あまりにデザインにこだわり過ぎると失敗してしまう可能性が高くなります。
デザインにこだわり過ぎた失敗例をいくつか紹介しますので、参考にしていただければと思います。
壁紙が圧迫感の原因に
壁紙の選び方に失敗して、居心地の悪いトイレになってしまうことがあります。
色が濃い柄物や、赤色・蛍光色などの派手な壁紙を選んでしまった結果、使用時に圧迫感を覚えてしまうような、落ち着かない空間になってしまうというパターンの失敗です。
中には、光沢のある素材の壁紙を使ったために目がチカチカするトイレになったという人もいます。
前項でも述べましたが、トイレの壁は入ってすぐに目にする部分ですから、壁紙選びは慎重に行う必要があるのです。
壁紙を選ぶ際に見る壁紙のサンプルはかなり小さいので、実際にその壁紙に囲まれてみると、思っていたような印象が得られないということがあります。
壁紙は自分でDIYで張り替えることもできませんが、手間とコストがかかり、素人では失敗する可能性も高いです。せっかくリフォームするなら、当分の間は使い続けられるように後悔しない壁紙を選びましょう。
広々とした印象を持てる白系のカラーリングを意識して、できるだけ落ち着いた色合いの壁紙を選ぶのがお勧めです。
無垢の床材が黒ずんでしまった
床材に「無垢材」を敷いた結果、1年ほどで床材が黒ずんでしまい、見た目が汚くなってしまったという失敗例があります。
無垢の床材は最初の見た目こそ美しいものの、トイレのような水回りで長く使うにはあまり適していません。
無垢材は傷つきやすく、汚れやカビ、洗剤などの影響によって黒ずみやすいのです。
黒ずんだりしないようにするには、こまめにお手入れしなくてはならず、その煩雑さに、リフォームで無垢材を選んだことに後悔してしまう方もいるようです。
また、タイルの床材も、タイルの目の部分に汚れが詰まってしまい、日々の掃除・メンテナンスが簡単ではなくなります。
トイレの床材はさまざまなデザインのものを選ぶことができますが、あまりイメージ第一で考えると、床材としての「機能性」が損なわれてしまうこともあるので、注意しましょう。
トイレの床材を選ぶ際に見た目も考慮するのは問題ありませんが、日々のお手入れのことも忘れないようにしてください。
高級感重視で照明が暗くなった
高級感のあるトイレ空間を演出しようとして間接照明のみにしたために、手元や足元が暗くて使いにくくなって困っている、という失敗例もあります。
オシャレな演出ということでは間接照明はおすすめなのですが、照明をつける場所を間違えるとケガをしたり、落としたものが見つけられなくなるといったことにもなってしまいます。
トイレの中が薄暗いと、排泄物の異常を見落としてしまいやすいというデメリットもありますので、健康に気を配りたい人にはお勧めできません。
照明はオシャレな空間を演出するだけでなく、「空間内における視認性を確保する」という役割を忘れないようにしてください。
間接照明にしてみたいと思ったときは、展示場などで実際に体験してみて、本当にイメージ通りか、視認性は十分かということを確認しましょう。必要な場所だけを明るくするようなアイディアなども得られるかもしれません。
手洗いを設置した結果トイレ空間が狭くなった
デザイン性にこだわって「タンクレストイレ」を設置し、「手洗い場」も別途設置したために、トイレが狭苦しくなってしまったという失敗例もあります。
実際に手洗い場を置いてみたら想像以上に狭くなり、トイレに入った人間がストレスを感じずに動けるスペースが確保されていないというケースです。
掃除の際、奥の方まで手を伸ばしにくくなったり、身体をぶつけてしまったりするということも起こりがちです。
トイレとしては、機能面でちょっと問題がありますね。
タンクレストイレはシンプルなので、インテリアとあわせてデザイン的にかっこいい空間を作るのにはいいのですが、一方で利便性や機能性を無視してしまうと、使いにくいトイレによって生活の質がおろそかになってしまうかもしれません。
タンクレストイレに加えて手洗い場を設置する場合には、余裕を持って動けるだけの空間があるかどうかをよく確認してください。
プロの一言アドバイス
ありがちな失敗例を参考にしていただければ、「自分もこうする予定だった、危ない!」と失敗を回避できるかもしれません。
他にもさまざまな失敗例がありますので、ご自身が予定しているリフォーム内容で検索してみることをおすすめします。
それが失敗につながっていないかどうかをぜひ確認してみてください。